概要
アリババのニューリテールのビジョンと先進的な取り組みは、中国における小売業の将来を変えています。 このオンラインセミナーでは、Alibaba Cloud の主要なクラウドコンピューティング、ビッグデータ、およびAIでサポートされている、小売業界変革のベストプラクティスについてご説明します。

話者
Yang Kan | Alibaba Cloud
Yang Kan は、企業のデータ価値を向上させるデータインテリジェンスの専門家として10年の経験があります。 彼は現在、Alibaba Cloud のソリューションアーキテクトであり、顧客がデータインテリジェンスの機会を特定し、データインテリジェンスコンサルティングサービスを提供し、プロジェクトのデリバリーを管理するのを支援しています。 彼はAlibaba Cloud に入社する前に、さまざまなMNCでグローバル規模のデータインテリジェンス戦略とプログラム管理を行っていました。 ビジネスアナリティクスの修士号、エレクトロニクスの学士号を取得しています。
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皆さん、こんにちは。ニューリテールのオンラインセミナー第 3 回目へようこそ。第 1 回、第 2 回のオンラインセミナーに参加された方は、ニューリテールの歴史やそれを支える理論、ソリューションをお聞きになったと思います。今回は、ニューリテール実践のベストプラクティスをお伝えするとともに、Alibaba Retail Cloud が支える Alibaba Group のニューリテールに対する取り組みを示す、画期的ないくつかの例についてお話しします。 私は本日のプレゼンターを務める Yang Kan です。

では、ニューリテールのあらゆるフォーマットにおけるイノベーションについて、例を見てみましょう。これまで、従来型リテールにはさまざまな形態がありました。ショッピングモール、化粧品店、巨大スーパーマーケット、ベビー用品店、コーナーショップ、食料雑貨店、カフェ、電器店、生鮮食品マーケット、地方の店舗などです。
では、これらの形態の小売業をデジタル化して新世代のリテールに転換するにはどうすればいいのでしょうか?
各形態にはそれぞれ独自の特徴があります。たとえば、ショッピングモールは比較的高価値の顧客を対象とし、都市の中心部に立地しています。化粧品店はショッピングモールの中に入っていたり単独の店舗であったりします。
巨大スーパーマーケットは食料雑貨を扱う店舗です。生鮮食品マーケットと SKU(ストック・キーピング・ユニット)は、生鮮食品を新鮮に保つためにサプライチェーンを迅速に動かすことが求められる点で、他とは異なります。
そして中国の地方の店舗は通常、小規模で遠隔地にありますが、店舗数はきわめて多く、大勢の人が利用しています。では、こうした形態をどのようにして新世代のリテールに転換するかについてお話しします。

まずは Alibaba のニューリテールのエコシステムに参加しているブランドをご紹介しましょう。聞いたことや使ったことがあるかと思いますが、TMall は Alibaba のオンラインショッピングウェブサイトです。従来型ブランドの、オンラインでのプロモーションを可能にします。たとえば中国国外か国内か、いずれかの場所にブランドを持っているとします。
ブランドの立ち上げや店舗の開設のためのオフラインチャネルに多額の投資を望まない場合、どう顧客に接触すればいいのでしょうか?
その答えが TMall です。TMall に参加し、オンラインショップを開設し、ブランドを登録し、そのブランドが認められ承認されれば、数千万人をオンラインでの販売対象とすることができるのです。
次に取り上げる suning.com 社は中国では知名度の高いブランドで、かつては従来型のオフライン電器店でした。しかし現在はオンラインとオフラインが融合した新世代のリテールとなり、顧客はオフラインで商品を体験し、オンラインで購入して配達してもらうという、ユニークなエクスペリエンスを受けられます。
そして Intime Retail 社も従来型のショッピングモールでしたが、現在は Alibaba New Retail のエコシステムに統合されて、デジタルモールとなりました。
このデジタルモールが意味するのは、キャッシュレス決済、クラウド商品棚、TMall Magic Mirror を組み入れ、顧客がオフライン店舗で実物商品を体験できるだけでなくデジタルエクスペリエンスも享受できるモールであるということです。顧客はより多くの商品を探し回ることができるようになり、より多くの情報を入手し、デジタル化された方法で商品と関わります。どのような商品もオンライン店舗で購入し、宅配してもらうというオンラインの要素もあることは言うまでもありません。
また、Intime のモールはデジタルインテリジェント駐車場ソリューションも提供しているので、駐車スペースを見つけたり、巨大な駐車場の中で自分の車を見つけたりすることが容易に行えます。これは、私も含めた多くの人の悩みを解消するものです。巨大ショッピングモールは駐車場が広大ですが、Smart Shopping Mall によってイライラせずに車に戻ることができます。
そして Hema 社は、生鮮食品、特にシーフードを扱うスーパーマーケットの格好の例として挙げることができます。同社は 4 in 1 の生鮮食品の小売形態で、従来型のスーパーマーケットと同じように生鮮食品を販売し、食料雑貨も販売しています。食品の調理をその場でサポートしてもらえるため顧客はすぐに食事を楽しむことができます。オンラインで注文して宅配を依頼することも可能です。さらに、自宅が Hema の店舗から 3 キロメートル以内であれば宅配サービスを無料で利用できます。配送は迅速で、30 分以内の配送が保証されています。
次にご紹介する Easyhome 社は家具店です。この家具店には VR 技術が取り入れられているため、顧客は店舗で家具を仮想的に体験できます。スペースに限りがあるため、 店頭に展示できないデザインも数多くありますが、このデジタル技術によって、顧客はこうした商品も体験することができるのです。VR 技術を用いれば、この家具モールにある すべての家具商品を体験できます。どのような種類の家具も、自宅に置いた場合に どう見えるかを確認することが可能です。
そして Cuntao 社は、Taobao の地方の小売店舗ソリューションです。これは、都市から離れた地方の店舗を商品販売のためのオンラインチャネルと商品配送のための物流チャネルとを統合して E ビジネスに転換したもので、これにより、地方の店舗がより多くの顧客を網羅する可能性が広がります。
そして Koubei 社も、Alibaba のオンラインアプリの 1 つです。このアプリでは、レビューの投稿やレストランや店舗の検索が可能です。顧客はあらゆるリテール業者に対する消費者の意見を検索できます。

さらにいくつかの例を詳しくご紹介しましょう。新世代のカフェについてご説明します。 Tao Café と呼ばれる、Taobao の会員制店舗があります。そしてこの店舗には、レジがありません。まず、この店は Taobao の会員のみを対象としており、Taobao の ID アカウントと緊密に統合されています。店舗に入る際に顧客がスキャンした QR コードと、彼らの顔や指紋といった生体的な特徴によって、Taobao ID が確認されます。つまり、入店は顔認識によって許可されるのです。席についた後は、カウンターでの注文はもちろん、ウェイター、ウェイトレスへの注文も必要ありません。各テーブルにインタラクティブスクリーンが設置されているので、そこから食事を注文することができると同時に、あらゆる種類の商品やサービスを画像で閲覧できます。
また店内には顧客の動きを追跡するインテリジェントカメラがあるため、新商品は何か、最もお勧めの商品は何かを店舗から知らせるレコメンデーションを顧客のモバイルデバイスに送ることができます。そして、店舗には支払いのためのレジがありません。代金はすべて Alipay を通じて支払われ、顔認識で認証されるため、顧客は食事を楽しんで店舗から出るだけでいいので、煩わしさは一切ありません。

次にご紹介するのは Hema 社です。Hema はつい先程お話ししたように生鮮食品店舗ですが、何がすごいのでしょうか?
オンラインとオフラインのリテールを融合させた Hema では生鮮食品を試食してから購入できます。これは合理的なエクスペリエンスを提供するニューリテールモデルの例です。
オンラインショッピングとは異なり、顧客はシーフードなどの現物商品を購入する前にチェックすることができます。シーフードはすべて店舗内で管理されているため、顧客はこの実店舗を訪れ、商品をチェックして、気に入った場合は購入することができます。そしてどの商品についても現金やクレジットカードでの支払いは求められず、Alipay を通じたモバイルアプリでの支払いが可能です。そしてこの店にもレジはありません。どんな商品を購入した場合も、顧客は店舗内でモバイルアプリを使って商品をスキャンするだけでよく、店員に手助けを求める必要はありません。スキャンだけで、Alipay による支払いが完了します。そして商品は直ちに宅配されます。店舗から 3 キロメートル以内に住んでいる場合は 30 分以内に宅配され、食品の鮮度は保証されます。調理を行うシェフもいるので、自宅で調理したくない場合は店舗での調理サービスを選び、そのまま店舗で食事を楽しむこともできます。
次にご紹介する Intime 社は、商業用不動産とリテール用不動産を扱う中国最大の不動産会社の 1 つです。Intime は中国の主要都市にショッピングモールを所有しており、多くの出店計画があります。
Intime Retail は、中国のリテール用不動産に関してデジタル化をビジョンに掲げています。Intime が実行したことは、ブランドの再定義と効率化を図るためのサプライチェーンのデジタル化に重点を置いた、業務モデルの見直しです。つまり Intime のモールは、AI と機械学習の技術を利用して販売予測を行い、それを商品の選定や在庫管理、さらにはサプライチェーン全体の業務に反映させているのです。Intime のモールはオムニチャネルマーケティングを行い、Alibaba Cloud のビッグデータ機能を使って顧客のニーズを理解しオムニチャネルのエクスペリエンスを向上させています。同社のモールは、顧客をより深く理解し、パーソナライズされた経験を顧客に提供するために Alibaba Cloud と連携し、メンバーシップアプリや E コマースのウェブサイト、そしてオフライン店舗から、より多くの顧客情報を収集しています。顧客には、モールの検索やアプリの利用に対する見返りが提供されており、それがモール訪問の動機となるため、コンバージョン率の向上につながります。
また Intime は、Alibaba Cloud のデータプラットフォームに依存してオンラインとオフラインの顧客情報や商品、サービスを統合しています。つまり全く同じ商品が、オフラインだけでなくオンラインでも購入可能なのです。そのため、店舗やモールに行って商品を体験した後、どの商品を買うかを決めないまま帰宅し、よく考えた上で買うものを決め、ウェブサイトやモバイルアプリから商品を購入し、宅配してもらうことも可能です。
また、モールではさまざまなエンターテインメントを提供しています。たとえば、ファッションやアート、ライフスタイルに関するもので言えば、顧客が商品を試して楽しめる TMall Magic Mirror があります。服やメークアップを試すことができるものです。これは高い注目を集めており、顧客に斬新なデジタルエクスペリエンスを提供しています。

そして TMall Convenience Store は、他とは全く異なる新世代リテールのモデルです。これは、POS マシン、倉庫システム、ビッグデータアナリティクスを統合した、ワンストップ B2B プラットフォームであり、従来型のコミュニティストアを新世代リテールに転換するデジタルソリューションです。どのようにして転換するのかというと、TMall と Taobao は従来型コミュニティストアにオンライン環境を提供しています。そのためコミュニティストアは、顧客を販売対象とするオンラインチャネルを含め、チャネルを大幅に多様化することができます。
そして Cainiao 社は、配送会社をすべて統合して顧客への商品配送サービスを提供する、物流プラットフォームです。City Partner 社はオフラインのリクルートとトレーニングのパートナーで、仕入れや調達、サプライチェーン全体の動機づけ、オンライン販売の促進での連携をサポートしています。City Partner がこうした業務をサポーしてくれるため、コミュニティストアはサプライチェーンマネジメントやマーケティングに投資する必要はありません。
これらのことから、大きな結果が 3 つもたらされました。まず TMall は、店舗の室内装飾、アップグレード、そしてインテリジェンスデバイスの設置をサポートしています。TMall はオンラインの在庫補充や商品注文、最新商品のレコメンデーション、オンライン販売分析、3 キロメートル以内の顧客プロファイルの情報システムも提供します。そのため、店舗オーナーは顧客や彼らの習慣、消費特性などの基本情報を把握できます。こうした情報をすべて利用することで、店舗運営者はビッグデータの結果に従い陳列棚を最適化することができるのです。

そして、中国を訪問したことがある方や中国で暮らしている方は、この国のフードデリバリーサービスを利用したことがあるでしょう。多様な品揃えの中から選択でき、迅速に宅配されるこのサービスがいかに便利で快適なものであるか、おわかりだと思います。
そういったフードデリバリーを行うAlibaba の O2O プラットフォームが、Ele.me です。 食品を 30 分以内に宅配するというその特徴的な機能は、Alibaba Cloud の Smart Logistics が支えています。
配送について、いくつか重要なデータを挙げてみましょう。まず、平均配送時間は 29 分です。つまり、配送品はすべて 30 分以内に指定の場所に到着するということです。注文をすると、システムは 0.5 秒でフィードバックを送ります。顧客が注文をすると、自宅に配送可能かどうかを知らせるフィードバックが即座に届くのです。
また、注文の処理数は 1 日当たり 900 万件です。Smart Logistics により年間 2 億 RMB のコスト節減を達成しています。英語で「Hungry Now(今お腹が空いている)」を意味する、中国名 Ele.me という同社は、中国の業務用オンライン to オフラインのケータリング およびフードデリバリーサービスプラットフォームです。Ele.me は中国の 2000 の都市で事業を行い、130 万店以上の店舗が参加し、300 万人以上のドライバーを擁し、1 日当たり 900 万件以上の注文を処理しています。どんな商品も 30 分以内に配達することを目標とし、それを実現しているのです。
では、どうやってそれを行っているのでしょうか?これには主に 4 つの側面があります。 私たちはマルチファクターモデリングを行っています。このモデルでは、ユーザーの習慣や運転者の行動をレストランやベンダーが把握しているかという点を考慮し、あらゆる検討要素をもとにして配送ルートと配送時間を計画します。そして、ドライバーの業務やルート、場所、制限のリアルタイム分析であるスマートディスパッチを行い、最適な配送計画を提供します。これにより、ドライバーに対しリアルタイムでどのルートが最適であるかを提案できるのです。これらはすべてクラウドで行っているため、顧客やレストランの増加に合わせて拡張することも可能です。

HomeTimes 社は、Alibaba によって設立された最新の家具店です。2017 年に杭州で設立されたオフラインの家具店であり、2018 年には 15 ~ 20 店舗を出店する計画です。この家具店の商品ポートフォリオには、家具や室内装飾品などを含め2 万 SKU 以上の家庭用品があります。商品の大半は TMall の業者のビッグデータ分析に基づいています。
TMall の業者は最も人気の高い商品を選んでオフライン店舗に陳列しているため、顧客は実店舗で商品を体験したあと、TMall のオンラインショッピングモールから購入することもできるのです。また、顧客が家具を体験できるよう、Alibaba の AR 技術と VR 技術を利用し、仮想的に家具を自宅に配置して、どのように見えるのかを確認できるというデジタル体験を提供することもできます。顧客が購入する際は QR コードで Taobao の ID の認証を行い、Alipay でキャッシュレス決済ができるということは言うまでもありません。

Starbucks は、誰もが知る有名ブランドです。このブランドは上海で、Starbucks Wonderland という五感で楽しめるリテールエクスペリエンスを開始しました。Starbucks は既に上海で 600 店舗以上を展開しています。この店舗数は Starbucks が進出している世界の都市の中で最多です。これは単なるコーヒーショップではなく、劇場のようなスペースです。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚で楽しむ素晴らしいジャーニーを体験することができると同時に、洗練された設備や店舗デザインなど、高度技術が結集した空間でもあります。
コーヒー豆がどのように生産されてコーヒーになるかを描いたすばらしいショーを楽しんだり、チョコレート、ビール、ワイン、お茶などの多様な商品とともにコーヒーを楽しんだりすることもできるのです。そして Alibaba は、この店舗を仮想的に楽しめるユニークな AR 体験を提供しています。

以上が Alibaba Cloud のニューリテールの例です。Alibaba Cloud のクラウドテクノロジーは拡張が可能なため、これらすべてのニューリテールのイニシアティブやベストプラクティスを実行することができるのです。